今あるインプラントの撤去をご検討の方へ

インプラント治療は、失った歯を補う有効な手段として広く普及しています。しかし中には、過去に埋入されたインプラントに不具合が生じたり、審美的・機能的にご自身の希望と異なるケース、あるいは体調不良との関連を疑い、「インプラントを撤去したい」とお考えの方もいらっしゃいます。当院では、現在口腔内にあるインプラントの状態を的確に診断し、必要に応じて安全かつ精密な撤去を行っています。

このような方はご相談ください

  • 過去に受けたインプラント治療の結果に不満がある
  • 痛みや違和感が長期間にわたって続いている
  • インプラント周囲炎が進行し、歯ぐきが腫れてきた
  • 医科で金属アレルギーや体調不良の原因を疑われた
  • 海外や他院での治療で、メンテナンスが困難になっている
  • 将来的な治療計画を見直す必要がある(矯正や義歯との整合性)

インプラント撤去の判断は慎重に行います

インプラントはチタン製の人工歯根であり、顎の骨と結合(オッセオインテグレーション)しています。このため、一度埋入されたインプラントを取り除くには、骨や周囲組織への影響を最小限に抑えつつ、精密な対応が求められます。当院では次のようなステップを経て、撤去の適否を判断しています。

1. 詳細な問診と症状の確認

現在の違和感や症状、これまでの治療歴、他院での診断内容などを丁寧に伺います。

2. CT・口腔内写真による診査

高解像度の歯科用CTを用いて、インプラントの埋入角度、周囲骨の状態、隣接歯との関係などを三次元的に把握します。

3. 必要に応じて医科との連携

体調不良や全身疾患との関連が疑われる場合、連携医科(アレルギー科・内科・免疫科等)との情報共有を行います。

インプラント撤去の方法

撤去方法は、インプラントの状態や骨との結合具合によって異なります。当院では以下のような技術を活用し、できるだけ骨を傷つけずに撤去を行います。

トルクリムーバー(逆回転器具)による除去

骨との結合が緩んでいる、または細めのインプラントである場合は、専用器具を用いて反時計回りに回転させながら取り除くことが可能です。

ピエゾサージェリー(超音波機器)による周囲骨の微細切削

強固に結合している場合は、超音波による微細切削で骨を傷つけずに除去スペースを確保し、インプラント本体を抜去します。

インプラント周囲炎などの病巣除去も同時に行う場合

骨の吸収や膿瘍がある場合には、病巣の掻爬や消毒処置も同時に行い、再発防止を図ります。

撤去後の処置と再建

インプラントを撤去した後には、必要に応じて以下のような対応を行います。

骨の回復を促す再生療法

インプラント周囲の骨が吸収されていた場合は、骨補填材やCGF/PRFを用いた再生療法を施します。今後の再治療の選択肢を広げるためにも重要です。

新たな治療方針のご提案

再度インプラント治療を行うのか、あるいはブリッジ・義歯による対応が望ましいのか、患者さまのご希望や全身状態を踏まえて包括的な治療計画をご提案します。

撤去のみをご希望の場合も対応可能

体調不良の懸念から「とにかく除去したい」というご要望にも対応しております。お気軽にご相談ください。

当院のインプラント撤去の特徴

  • インプラント治療・再治療を熟知した歯科医師による対応
  • 歯科用CT・マイクロスコープを用いた高精度な診断・施術
  • 必要に応じて再生療法や再埋入にも対応
  • メタルフリー志向や医科的観点を取り入れた治療方針の提案

よくあるご質問

Q. インプラントは完全に除去できますか?

はい、多くの場合は除去可能です。ただし、骨と強固に結合している場合には、多少の骨の削除を伴うことがあります。慎重にアプローチを選択します。

Q. 撤去後にもう一度インプラントはできますか?

状態によっては可能です。撤去後の骨の回復状況や周囲の歯とのバランスを見て、再埋入の可否を判断します。

Q. 健康保険は使えますか?

インプラント撤去は原則として自由診療となります。ただし、重篤な感染や医科からの強い要請がある場合には、一部保険適用となる可能性もあります。

インプラント撤去は“経験”と“精度”が鍵です

インプラントの撤去は、単に「外す」だけの行為ではなく、その後の口腔環境と全身への影響までを見据えた精密な処置です。どのような理由であれ、撤去をお考えの方は、まずは正確な診断と専門的な説明を受けることが大切です。当院では、インプラント治療・再治療に精通した歯科医師が担当し、患者さま一人ひとりに最適な治療方針をご提案しています。

「今あるインプラントに不安がある」「撤去を検討している」という方は、ぜひ一度ご相談ください。