インプラント用語集(か行)

ガイデッドサージェリー

インプラント埋入窩形成のためにドリルガイドを用いてドリリングする方法である。ドリルの位置、方向、深さを規定でき、インプラント埋入の正確性が確保できる。

仮骨

骨欠損、骨折あるいはインプラント埋入後のインプラント周囲に、骨が新生あるいは治癒するために形成される幼若な骨組織をいう。また、これを線維性仮骨ともよぶ。

仮骨延長術

骨切りを行い、骨片間に形成された幼若な仮骨を外力により牽引・延長することで骨形成を促す術式である。骨のみでなく被覆する軟組織の延長も同時に行えるのが利点である。

ガミースマイル

微笑んだときの上唇の位置であり、審美性回復の難易度に関わる指標となる。歯槽部が完全に露出するタイプをガミースマイルという。

ガルバニー電流

口腔内や生体内で異種金属が接触したときに、唾液、組織液などが電解質となって外部回路が形成されて電池ができ、その結果流れる電流である。

眼窩下孔

上顎骨体前面で、眼窩下縁の下方に存在する。眼窩下神経、眼窩下動・静脈を通す眼窩下管の出口であり、下内方に開く。眼窩下孔のすぐ下方には犬歯窩が存在することから、皮膚上で部位を触知することは容易である。

顔面インプラント

エピテーゼを支持、維持させるための歯科用インプラント装置もしくは処置のことである。

キーアンドキーウェイ

主として半固定性ブリッジに用いるスライド型連結装置の一つで、インプラント体と天然歯を連結する際に用いられることがある。一般に支台の隣接面歯冠内にレール状に設けられたキーウェイ(フィメール)と、これと嵌合するようにポンティック部に設けられたキー(メール)から構成される。キーアンドウェイの緩衝によって、インプラント体の咬合圧負担を減じることができるといわれている。

既製アバットメント

直径・高径およびインプラント埋入軸に対する角度が規格化されたアバットメントであり、スクリュー固定用やセメント固定用、単独歯用やブリッジ用がある。埋入されたインプラントの直径と粘膜の厚みとを基準に、サイズを選択して装着される。

逆トルク

逆回転させる力のモーメントのことである。インプラントでは、インプラント体を骨外から取り出す、アバットメントを取り外す際に要する。

頰骨インプラント

上顎の骨量が不足している場合に、頰骨を利用して行うインプラントである。通常よりも長いインプラント体を使用する。骨移植を伴わずに行えるが、手術が困難であり熟練した口腔外科医が行うことが望ましい。

禁忌症

医療行為が病態の増悪をもたらすために適応してはならない既往疾患のことである。これには絶対的禁忌症と相対的禁忌症がある。相対的禁忌症は状態が改善されれば適応症として扱うことが可能であり、コントロールされていない糖尿病や高血圧症などがこれにあたる。絶対的禁忌症は症状の改善が見込めない疾患を有する場合で、重症心臓病、先天性血液凝固因子欠乏症、白血病、腎透析患者、末期の悪性腫瘍患者などがこれにあたる。

金属アレルギー

金属から溶出した金属イオンがタンパクと結合してアレルゲンとなり発症するアレルギーで、主にⅣ型である。インプラントでは使用する異なる金属との電位差に起因することがある。診断は症状とパッチテストなどによる。